読書メモ

【読書メモ】原田マハ祭り、時々カズオ・イシグロとリッツカールトン/「楽園のカンヴァス」「翼を下さい」等

更新日:

1、「楽園のカンヴァス」 原田マハ




2015年、出逢ってしまいました賞 No1を捧げる、アンリ・ルソーを巡るサスペンス小説。

作者の原田マハさんは元美術館のキュレーターのため、絵画や画家をモチーフとした作品がとても多いです。

その中で最も秀逸(と勝手に思っている)なのが、この「楽園のカンヴァス」。

皆さんは、画家アンリ・ルソーをご存知でしょうか?

むせかえるような森の匂い、豊満で今にも動き出しそうな女性の体、目があったら離すことができないほど強烈に光る動物の目・・

すごく現実的なようで、非現実な世界。

現実と非現実の間を見せてくれる、そんな画家。

もちろん世界的にも偉大な画家ですが、モネやピカソ、ゴッホという超有名な画家と比べたら

アンリ・ルソーは少々マイナー寄りかもしれない。

そんなルソーの『夢』という作品には、実は秘密があった。

『夢』の裏には、別の偉大な画家の絵が隠されている・・・?

その画家とは?そしてその理由とは・・・!!

謎を解き明かすべくスイスの大豪邸に招集されたのは、ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンと、
日本人の研究家、早川織絵。

渡された本を読み解き、謎を解決した方に、『夢』を譲るという条件で

二人の闘いが始まる・・・!

絵の裏に眠っている人間模様が明らかになるにつれ、

二人の人間関係も複雑に、そして他にもたくさんの人の影が。

謎を紐解いていくサスペンス要素だけでも楽しいのに、

そこに人間模様や絵の知識、画家の人となりや思いが絡まって

夢中になり、一気に読んでしまいます。

読み終わった後には、ルソーの絵が見たくて見たくてたまらなくなる。

今年のベスト3に入る小説です。

特に夏の季節に、おススメ。

2、「翼を下さい」 原田マハ




2015年、出逢ってしまいました賞 No2 を捧げる、またまた原田マハさんの小説。

女性として初めて大西洋単独横断飛行を成し遂げたアメリカ人パイロット、アメリア・イアハートと

世界一周を成し遂げた日本初の飛行機、ニッポン号を組み合わせた、不思議な物語。

ただ飛ぶことを愛し、自由のため、平和のために飛んできたアメリア(小説ではエイミー)が

いつの間にか国家の陰謀に巻き込まれ、

飛ぶことは戦う術へ、飛行機は戦う道具へと変わっていきそうになる。

自分が飛行機で飛ぶことが、誰かを殺すための知恵となる・・

耐えられないエイミーは、ある決断を下す。

一方、日本ではある新聞社が日本初の世界一周を目指し、

秘密裏に「ニッポン号」の製作に燃えていた。

写真を愛し、飛行機を愛するようになったカメラマン山田は、なんと名誉ある乗組員の1員となる。

いよいよ日本出発の日、乗組員たちはもう1人の仲間の存在を知らされる・・

エイミーとニッポン号が不思議に交わっていく話はフィクションですが、

きっと、こういう思いで生きた人がどこかにいたんだろうなって思った。

戦争中に、自分の思いとは全く逆なことをいつの間にかやらされていた人たち。

平和を、自由を願っていたはずなのに

気が付けば、自分の手で武器をつくり、侵略路を開き、その結果たくさんの人が殺されてしまった。

気づいた時には手遅れで、戻れなくて。

想像するだけでつらいことだと思う。

上で紹介した「楽園のカンヴァス」もそうですが

原田マハさんの作品は、史実とフィクションを見事に混ぜ合わせていて、

単純に物語としてもすごく楽しめるんだけど

それ以上に、歴史や、昔の人の気持ちをありありと想像することが出来る気がして

そこがすごく魅力的。

私はこの本を偶然飛行機の中で読んだのですが、ちょうど飛んでいる感覚が

小説の中の描写とあいまって、身体中を使ってこの本を味わった感じがしました。

旅行のお伴に、ぜひ連れて行って下さい。

※泣きすぎて、隣の人に白い目で見られないように気を付けて下さい☆(体験談)

3、「リッツ・カールトン 超一流サービスの教科書」




ホテルだけでなく、レストランやショップなどサービス業、クレーム対応など

顧客と直接かかわる人は読んだ方がいいと思います。

学生時代ってみんな気軽に飲食店でバイトするけど、サービス業ってそんな簡単なものじゃないと思う。

絶対に相手を不快にさせず、相手の望むことをちょうどいいタイミングで行い、

なおかつやりすぎてはいけない、なんて難しい!

いやいやサービス業なんて簡単でしょ、って思う人は

恋愛に置き換えて考えてみればいいと思う。

飲食店でバイト経験がある男性はたくさんいるのに、

殆どの女性が、「うちの彼氏は私がしてほしいことを全然わかってくれない!!」って言ったことあるでしょ!笑。

もちろん、その逆もしかりですけど!

たくさん話して、好みも把握して、同じ時間を共有している相手にさえ

完璧なサービスなんて出来ないのに、

初めて会った見知らぬお客様に簡単にサービスができるわけないじゃないですか。

笑顔で商品を提供するだけがサービスだと思ってたら大間違い。

ぜひこの本を読んで目を覚ますことをおススメします。

私は目が覚めました・・ぱちくり。

特に、P69の「リカバリー」のところ、印象に残りました。

筆者がお店でテレビを買ったところ、コンセントにつないでも動かない。

サービスカウンターに行ってテレビが動かないと言うと、「ちゃんとコンセントにつなぎましたか?」と不愛想に言われた。

コンセントにはつないだと言うと、店員は仕方なくテレビを調べ始めたが、しばらくしてテレビに問題があることに

気づいたのか

製品のすばらしさについてとくとくと語り始めた。

結局テレビは返品でき、新しい商品をもらった筆者だが、ちっともハッピーな気持ちにならなかった。

そりゃそうでしょ!!って、文字で読むと思います。

動かないって言ってるのに、第一声が「ちゃんとコンセントにつなぎましたか?」って

相手を疑うって、もうありえない!!

お客様は自分が間違ってるような気持ちになって、罪悪感まで抱いてしまうかも。

このいや~な気持ちは、返品&新しい商品 だけじゃ到底リカバーできない。

お店に二度と行かないかもしれないし、そのメーカーの製品も買わなくなっちゃうかも。

たったこれだけで。

そう、サービス業の難しさは、いかに完璧にバトンをつないできても

たった1つのミスで、全てを台無しにしてしまうことですね。。ああ怖い。

ちなみに、著者のレオナルドさんは、この状況でどうしたらサービス業として

ふさわしい対応が出来たのか、妄想の解決策を書いてくれてます。

解決策の方はちょっと恥ずかしくて、私にはとても出来る気がしなかったけど、

相手に最初から「コンセントにつなぎましたか?」って聞くようなコミュニケーションはしないように

気を付けようと思いました。

リッツカールトン、泊まってみたい・・

4、「忘れられた巨人」 カズオ・イシグロ




「私を離さないで」ぶり、待ってましたカズオさんー!!

読む前に、テレビでカズオさんが一般の読者の質問に答える番組をやっていて

そこでこの本の内容に触れていたので、わくわくしながら待ってました。

●読んだ直後のメモ

⇒とてつもなく遠くへ連れて行ってくれるファンタジーであると同時に、

多くの比喩で自分の中や社会にある問題を突きつけられる小説。

問題発言とされた「ただのファンタジーではない」の意味がわかる。

映画化も決定しているようで楽しみです。

結論からいうと

まどろっこしいのがキライな人は読まないでください・・!

以上です☆

指輪物語とか大好きな人にはおススメです。

5、「生きるぼくら」 原田マハ




この表紙の絵、好きなんです。表紙買い!

原田マハさんの作品は大好きで、この本もすごくいいお話だったんだけど

なんかむず痒かった・・

今まで読んだ作品には全て共通してると思いますが、原田さんが書く世界には毒がないんです。

ひきこもってても、心が病んでても、みんな結局いい人。

感動するんだけど、なんか・・出来すぎだよね?みたいな感想を持つことも。

その反対で、毒がそこらじゅうにちりばめられているのが、江國香織さんです。

なんでこの人こうなっちゃうの?!っていう人間ばかりで、いつも期待を裏切られる。

それなのに、透明感があって、汚かったりどろどろしていない、なぜか美しい世界を描くから

ファンが多いんだろうな~!

って、脱線しましたが

「生きるぼくら」は、ひきこもりの主人公、人生が母親に家出され、人生オワタ状態になるところから始まります。

余命わずか・・と書かれたおばあちゃんの年賀状を見つけ、いてもたってもいられずに

おばあちゃんに会いに行く人生は、これまた人間不信のちょっと変わった女の子と出逢います。

高齢のおばあちゃんに代わり、二人は協力しておばあちゃんの大事にしている水田を守ろうとしていく中で

大きく成長していく・・というお話。

何度も泣いたし、感動したし、お米が好きになったし

私もお米作りしてみたい!!とか、田舎のおばあちゃんに会いに行かなきゃ!!とか思ったんだけど

やっぱり、ちょっと話が出来すぎてるから、期待を全然裏切られなくて

予想通りに展開がすすんでしまって、物足りない感じでした。

ひきこもりとか、人間不信とか、つらい状態にある人は

ちょっとやそっとじゃ真っすぐな考え方はできないと思う。

人から正しいこと言われて、あーそっか、そうなんだ!って素直に思えたら

ひきこもらないし人間不信にならないと思います。

言われたことが正しいって頭でわかってても受け止めることが出来なくて、

でもそんな自分が苦しくて、いやでたまらなくて。

でも自分を突き放すことも出来なくて、大事にして守って、傷つくのが怖いから内に閉じこもって。

閉じこもったアジトに突入してきてくれる人をずっと待ってるんだけど、

いざ人が入ってきたら怖くて、いつかこの人もどこかにいっちゃうんじゃないか、自分のことを嫌いになるんじゃないかって思ったら心を開くことなんて出来なくて、またそれがつらくて閉じこもって

さらに硬い鍵をかけて・・

その繰り返しだと思う。

そこがほんのちょっとしか書かれてないから、こんなすぐうまくいかないよー!!って思っちゃったんだと思います。

が、小説としてはするすると読めて面白いし、いい話だし、

お米の国にっぽんに生まれてきてよかったー!!なんて思うくらいお米ラブな気持ちになる本です。

以上、最近読んだ5冊のご紹介でした~★

本日も、最後まで読んでいただきありがとうございましたー!!

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