シンデレラ、クイーンってなんのこと?
「クイーンサイズ」この言葉にピンと来たあなたに、お伝えしたい場所があります。
ファッション業界では、平均より小さいサイズを「シンデレラ」大きいものを「クイーン」と呼ぶことがあります。
「小さいサイズ」「大きいサイズ」とつけてしまうと、傷つけてしまうかも。じゃあ可愛らしい名前をつけることで、抵抗なくショッピングしてもらおう♩
という企業側の意図はわかりますし、大きいサイズ!と書かれてしまうよりはクイーンサイズという表示の方がほっとします。でも、小さいと大きいではそもそも心理的に差があると思うんです。
例えば、胸が小さい人向けにデザインされた注目のランジェリーブランドfeast(http://feast.theshop.jp/)。
バストが小さいことをコンプレックスに思うのではなく、シンデレラサイズと呼ぶことで何となく自分の胸が可愛く思えてきます。ホームページを見ていると、モデルの女の子たちもすごく可愛くて、でも媚びてなくって、自分の身体にあったお洒落を楽しんでいいんだなと思える素敵なブランドです。
ここには、小さい=かわいいという、サイズに対する意識があります。私もシンデレラバスト人間なのですが、胸が小さくてあーあとがっかりすることはあっても、なんでこんなに小さいんだろう、もうやだ恥ずかしくて死にそう。とまで思ったことはありません。
では反対に、大きいサイズはどうでしょうか。私は足のサイズが26~26.5cmで日本人の規格外。普通の靴屋ではそもそも履ける靴が見当たりません。そんな中で足が大きい=クイーンサイズと言われても、私の足大きくてかっこいいでしょー💗なんて気持ちにはなれたことはありませんでした。
小さいサイズのブラジャーは普通のお店でも買おうと思えば買えるけど、大きいサイズは置いてないんです。よく「うちは大きいサイズもあるんですよ^^」と店員さんに言われますが、その度に身構えてしまいます。なぜなら、普通のお店の店員さんが言う大きいサイズとは、だいたい24.5~25.0cm、よくて25.5cmのことを指していて、私の履けるサイズではないからです。
結局、店員さんが「これが一番大きいサイズです^^」と出してくれる靴は9割の確率で入らない。だんだん焦る店員さん。やっぱりなーと意気消沈していく私。さらに焦る店員さんは、何を血迷ったかとんでもなくダサい、若者がはく靴ではないような超幅広&ぺったんこの靴を出してくる・・「こ、これなら入ると思います!」
その靴が入ればまだ救われるのですが、それさえ入らなかった時の惨めさ。おわかりいただけるでしょうか・・!
私の中で、足が大きい=個性的♩なんてイメージはほど遠く、実感として「規格外」「恥ずかしい」「惨め」みたいな気持ちがすごく強かったのです。
サイズへのコンプレックス
ただ、これは大きい&小さいというサイズへの感覚ともまた違うのかもしれません。私は背も大きくて、前提として自分=大きいという認識があります。だから「小さい」と言われるとどことなく嬉しい気持ちがあるし、「大きい」と言われると身長のことであってもどこかでしょんぼりする気持ちがあるんだと思います。でも、もともと背が小さい友人は、身長も足のサイズも、「小さい」と言われるたびに悲しい気持ちになると漏らしていました。私からしたらすっごくうらやましいのに・・!彼女は彼女で「小さい」ことにコンプレックスがあり、私の「大きい」ことがかっこいい、うらやましいのだそうです。
だから、大きい・小さい論に答えはないのかもしれません。小さくっても大きくても、皆違って当たり前でしょ?私のサイズはこれなの。って、みんなが胸をはって生きられるような世界って素敵だなと思います。
でも、実際に靴を作っている方に聞くと、靴は全て型から作るものだから、需要が高いサイズの型じゃないと作っても利益が得られない。だから大きすぎたり小さすぎる靴は作りたくない、作れないと言われました。
だから、小さいから大きいまで全部のサイズが揃うファッションなんて、そもそも無理なんだなって思ってました。ちょっと高いけど輸入物か、オーダーメイドならデザイン的にも許せる靴が買えるし、大きく生まれたんだから仕方ない、足のサイズは変えられないし。そう思ってました。
そう、ここニューヨークに来るまでは。
ニューヨークで出会った、夢の靴屋
秋、ニューヨークに行った時のある日のこと。
サラベス(NYの有名な朝食レストラン)とトレーダージョーズ(これまた有名なオーガニックスーパー)に行こうと、79stationに降り立ちました。
と、目の前に何やら大きいショップが。
やたら大きいので目を引きます。何のお店だろう・・
ん
SHOE!
靴のお店ですね♩
靴を買う予定はなかったけど、最近日本で見つけた大きいサイズの靴屋さんも何となく行きづらくなっちゃったし(参考:「靴屋のおじさんに4回おしりを触られて考えた性について」
https://note.mu/mousoutrip/n/n17aedf72d092)、ここはアメリカ🇺🇸もしかして私のサイズの靴もあるかも?なんて気軽な気持ちで中へ入りました。
どどんっ
おー・・端から端まで靴だらけ。靴好きにはたまりませんね!
男性・女性&キッズでフロアが分かれており、建物全体がお店になっています。
早速、女性シューズが置いてある2階へ♩
と・・・・
な、なんだこれは〜!!!
靴のお店というか、倉庫みたい。
大きな1フロア全体に靴たちが鎮座しています。
パンプルからハイヒール、サンダル、ブーツまでよりどりみどり。
しかも殆どがブランド品で、気になるデザイン。しかも定価より割引になっていて、おやすい♩
そしてなんと、注目すべきは・・・
WE HAVE YOUR SIZE!!!!!
興奮したのでもう一度言います、We have your size!!!????
「ここにはあなたのサイズの靴がありますよ♩」
ほ、ほんとですか?
恐る恐る箱を覗いてみると、なんと日本人でも入らないような小さいサイズから、自分のサイズをはるかに上回る大きさまで、よりどりみどりではないですか・・!XSからXLまで、細かく分かれて箱詰めされております。
しかも、ここでは店員さんがやってきて「ご試着なされますか?」「サイズはおいくつですか?」なんて言われることはありません。放置プレイです。
つまり、気になる靴があれば好き勝手に試し放題。もし入らなかったとしても違うサイズを試せばいいし、サイズの心配なんて必要ないほどたくさんのサイズが揃えてあるのですー!!
靴を買うことが、感動体験になる
自分の気になる靴を好きなだけ試し履きできる。
自分に合うサイズが存在している。
今まで私は、こんな体験をしたことはありませんでした。
靴を買うこと=自分のサイズは殆どないし、あったとしてもダサい靴、という恥ずかしい体験
だったのに、
このDSWでは
靴を買うこと=自分に合った靴を探せる快適なショッピング体験
に変わったのです。
靴を買うというそれだけのこと、おそらく平均的な足のサイズの方は気にしたことはないと思いますが、自分にとってはすごくストレスまみれの体験でした。
それが、サイズ豊富なDSWでは快適なショッピングをすることができ、一瞬にしてDSWで靴を買うこと=感動体験として胸に刻まれたのです。
「規格外」への無意識な感情
これは、靴に限定されず、すべてのことに言えるのではないかと思っています。
私の事例だと、
自分:足のサイズが規格外=>自分に合った靴が買えない=>恥ずかしい、ストレス
ですが、
たかが靴を買うというそれだけのことなのに大げさだなあ、だと思われますか?
例えば、規格内のサイズの人が私を見たときに、
規格内の人:日本人の平均サイズは23.5cm=>26cmって大きすぎ=>あの人は足が大きい、珍しい
という認識が生まれ、その先に「気持ち悪い」「変」という、規格外の私に対する蔑みの気持ちが生まれる可能性はないのでしょうか。
持って生まれたサイズや特徴は、その人の個性と捉えることだっていくらでもできます。でも、狭い世界の中での規格内を無意識に設定することで、それ以外の人たち=珍しい=嫌悪 という感情を生み、排除していることってあるんじゃないかなあと思います。
もしくは、規格外の人自身が、自分は規格外だから変なんだ、恥ずかしいと無駄にコンプレックスを持ってしまうこともあります。
多様性の中に飛び込むこと
自分は確かに平均値の中にはいないけど、別に気にすることない、と思える人もいるけれど、できない人もいます。そんな時は、多様性を認められている中に一度飛び込んでしまえば、なんだ自分なんてたいしたことないや、世の中いろんな「違う」人がいるんだ!と実感できるんだと思います。
私の場合は、こうでした。
規格外:足のサイズ
体験:自分に合うサイズの靴がないことへの恥ずかしさ、不便さ、ストレス
新体験:小さい〜大きいまで豊富なサイズの靴屋でのショッピング
発見:日本では規格外でも、アメリカでは自分と同じサイズ、もしくはもっと大きかったり小さすぎる人もたくさんいる。
自分は足が大きかったから、足のサイズについてずっと悩んでいて、ファッションの「大きい」「小さい」にはとても敏感です。
でも、私が規格内のことで規格外のものがある人の悩みには、気付けていないと思います。
靴の型を平均値に合わせて量産することで利益を守るように、規格外の人たちのニーズに応えられていない産業はまだまだあるのかもしれない。気づいていきたい、探していきたい。
まずは、靴のサイズに悩んでいる方に、ぜひDSWをおすすめしたいです*
DSWを知ったからといって、すぐアメリカに行って気軽に靴を買えるわけではないですよね。でも、日本から視線を広げれば自分のサイズなんて普通に存在するし、自由にショッピングできる場所もあるんだよー♩と知るだけで、ちょっと嬉しくなりませんか?
ネットショップでも探せるので、見るだけでも♩
DSW(Designer Shoe Warehouse)
いつもと違う場所・国に行くと、こうやって自分の価値観ががらっと変わったり、発見できるような体験に出会うことがあって、それがとても楽しい。
今日も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
まるこ/cayori
記事を読めて、ツアーを買えて、ライターに会える旅メディア「タビタツマガジン」
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