海外の旅行ガイドブックを開くと、その土地ならではの美術館が載っています。
パッケージツアーにも必ずと言っていいほど組み込まれているし、日本では普段行かないけど、海外なら何となく行っておこうかな?と、スケジュールに入れる方も多いと思います。
美術館って、意外と時間を取られますよね。
小さいところでも2~3時間、おおきい美術館なら半日以上かけてまわる場合もあります。
せっかくの旅行中、時間は貴重です。
絵が好きならともかく、あまり興味がない人が美術館にわざわざ時間とお金をかけていく意味は、あるのでしょうか?
私は普段から美術館によく行きます。
親の教育方針で、小さいころから美術館やクラシックコンサートに行く人生だったので、習慣の一部とも言えると思います。
でも、絵が好きか?と言われると、他の趣味の読書や旅、文章を書くこと、演劇と比べてそこまで好きではないです。ですが、毎回旅に行くと国内外問わず、その土地の美術館に足を運んでしまいます。
これだ!と思う共鳴するような作品に出会うともちろんワクワクしますし、好きですが、海外に行くたびに美術館に行ってしまう説明にはならないと思います。なんで毎回美術館に行ってしまうんだろう?と考えてみたところ、答えは絵ではなく美術館が好き、ということでした。
美術作品をアートとして楽しむことが第一目的ではなく、私の場合は美術館という場所を体験するために訪れています。
だから、有名な画家の作品が集う展覧会に行っても、絵単体がどんなに素晴らしくても、展示方法がいまひとつだなとか、美術館のある場所があんまり好きじゃない都市だなと感じてしまうと、転じてもったいない体験になります。
5年前、初めて訪れたニューヨーク。
自然博物館やメトロポリタンミュージアム、MoMaにニューミュージアム、セックスミュージアムと合計5つの美術館&博物館に行きました。
どこも新しい体験と発見があってよかったですが、特に気に入ったのはMoMa(ニューヨーク近代美術館/The Museum of Modern Art)でした。
天井の高い開けた空間におかれている近代アートは、東京での美術館体験とは違い、「見ている」のではなく「味わっている」気分に近かったです。 アートと一緒の空間にいること、それがとても心地よかった。
でも、5年後の今回MoMaに行った時、なんだかワクワクしなかった。
一度訪れているから新鮮味に欠けたのかもしれないけど、5年間鑑賞してきた美術館や絵の蓄積で目が少し肥えたのかもしれないけど、たまたまその時のフィーリングに合わなかったのかもしれないけれど。
なんだか5年前と何も変わっていないような感じがしたし、「現代アート」としておかれているアートたちに、新しさを感じなかった。
もちろん初めての体験として行くのなら、アンディウォーホールやダリといった一度は目にしたことがある作品をまとめてみれるから、おすすめです。でも、2回目のニューヨークなら、他の美術館もぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
今回2016年の秋にニューヨークを再訪して、素敵な美術館に2つ出会いました。
1回目にご紹介したいのは、ホイットニー美術館(Whitney Museum of American Art)。
ハイライン沿いに移転してから、ニューヨーク・旅好きの人たちがこぞって「今行くべき美術館!」と取り上げていたので気になっていました。
見晴らしが良く気持ちの良いハイライン散策と合わせて、訪れたい美術館です。
あ、これも現代アート?
と思った方もいるかもしれません。
ハイラインに出没していたなぜか裸、なぜか下着だけ身につけているおじさんアートです。
海外で良く見かける体をはった個人アート(アートなのか商売なのか)。5年前ニューヨークを訪れた時はたくさん見かけましたが、今回はあまり。 4月に訪れたスペインの方が多い印象でした。
秋の紅葉が美しいハイラインを抜けて
エレベーターで地上へ。
最大の失敗は、ホイットニー美術館の外観を撮りわすれたことです。
気をとりなおして館内からご覧ください。
ガラスばりの窓でぐるっと囲まれた建物は、日光がよく入って明るく、とても開放的。
↑の図書館みたいな場所は、お土産ショップです。
絵画に関する本がたくさん。
このペーパーウェイト、とても素敵でした。
隣にはチケットブース。
大人22USD。
海外の美術館にはよくありますが、ホイットニー美術館も金曜日の19時〜22時は"pay what you wish"
自分の好きな金額を払って入場できます。
火曜日はお休みなので注意♩
中に入ると、贅沢な空間の使い方に驚きます。
絵と絵のあいだが広いため、一つの絵にぎっしり人が集まって前の人で見づらい・・なんてことがあまり起きません。 白い壁と高い天井の効果で、とても広々とした空間に感じます。
絵だけではなく、写真も多いです。
何人もの女性の足を絡みつかせた写真。
こういうのやってみたいです。
海外の美術館の良いところは、やっぱり写真が撮れるところ。
気に入った絵があれば写真におさめて残しておけるので、後から反芻できて好きです。
ホイットニー美術館の特徴として、外のテラスに自由に出入りできるのも嬉しいです。
ベンチに座って休憩したり、
ハドソン川を眺めながらぼーっとしたり。
風見鶏を撮りたいがために、ベストポジションを探してウロウロしたり
自撮りしたり・・
そうなんです。
普段、私は自撮り(最近はセルフィーですね)をあまりしないのですが、
なぜかホイットニー美術館の作品を眺めていたら無性に自撮りがしたくなったんです。
この欲求、謎としか言いようがありません。
最初に見ていたゾーンが人物の写真が多く、中には自撮りのポートレイトもあったので、感化されました。
それはさておき、外の空間もうまく使ってアートを点在させているところも、
ホイットニー美術館が好きな理由です。
人気の作品たち。
時間制で、無料で館内の主要作品を説明してくれるツアーもあります。
気になる作品があったら、さりげなく混じって聞いてみるのも♩
さすがニューヨーク。生の人間が登場するインスタレーションが!!
・・・と思ったら、よくできたアートでした。
思わず間違えそうになるくらい、リアルなおばあちゃんです。 足元でスヤスヤしている犬も、今にも寝返りを打ちそう。
髪の毛から服のしわ、手足に浮き出た血管まで、本物の人間みたいでした。
ワイヤーアート。
顔の影が壁にも浮き出されていて面白い。
絵や彫刻だけではなく、映像のフロアもあります。
複数の画面を並べて、全体で1つのアートにしている作品が多かったです。
アニメ作品も。女性の1日を描いたこの動画、すごく好き。
また、体験型のアートも豊富です。
雪やお花がアートに舞い降りてきたり
AIとおしゃべりできたり。
そして、ホイットニー美術館が素敵だなと思ったポイントの1つ。
お手洗いがオールジェンダー仕様。
ニューヨークならではの視点が、さりげない場所で感じられました。
おかれている1つ1つのアートも素敵でしたが、何よりこのホイットニー美術館の空間にいることが楽しかったです。
移転前も有名な美術館の1つではありましたが、ハイラインに移転してからは各方面から評価が高く、ニューヨークを代表する美術館とまで言われるようになったホイットニー美術館。
展示内容だけでなく、見せ方や空間、雰囲気も合わせた総合芸術として美術館を捉えてみると、とてもお勧めしたい場所です。
ニューヨークが初めての方も、二度目以降の方も。
季節によって外の景色も変わり、いくたびに違う体験ができると思います。
展示内容も数ヶ月に1度変わるそうなので、ぜひ何度でも訪れてみてください。
🌟ホイットニー美術館(Whitney Museum of American Art)
定休日:毎週火曜日、クリスマスなど
【サイト事前購入】大人22USD、学生&シニア17USD
【当日美術館で】大人25USD、学生&シニア18USD
18歳以下&ホイットニー美術館メンバーは無料
(毎週金曜日19時からは好きな料金で購入可)
営業時間:
月、水、木、日:10:30~18:00
金、土:10:30~22:00
公式サイト:http://whitney.org/
最新の情報は公式で確認してくださいね♩
おまけ:帰りの地下鉄で出会ったコオロギくん
この記事を読んでくださった皆さまにとって、素敵なニューヨーク旅行になりますように。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました♩
まるこ/cayori
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